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2008/5/17 ウェブログより転載

2007年9月、スペイン旅行

 2007年9月5日から24日にかけて、自転車の大会「第62回ブエルタ・ア・エスパーニャ」の観戦を兼ねて、スペインを旅行したときの記録です。また、写真のページに、そのとき撮った写真を置いてあります。

以下は、宿泊地の一覧です。地名の後に "La Vuelta" と記してある日にスペイン一周自転車競技大会 Vuelta Ciclista a España の観戦を予定しています。

2007/09/05 バルセロナ Barcelona
2007/09/06 バルセロナ Barcelona
2007/09/07 サラゴサ Zaragoza - "La Vuelta"
2007/09/08 サラゴサ Zaragoza - "La Vuelta"
2007/09/09 パンプローナ Pamplona
2007/09/10 サンセバスチャン San Sebastián
2007/09/11 サンセバスチャン San Sebastián
2007/09/12 ビルバオ Bilbao
2007/09/13 ビルバオ Bilbao
2007/09/14 マドリード Madrid
2007/09/15 グラナダ Granada
2007/09/16 グラナダ Granada - "La Vuelta"
2007/09/17 アルへシラス Algeciras
2007/09/18 アルへシラス Algeciras
2007/09/19 アルへシラス Algeciras
2007/09/20 マドリード Madrid
2007/09/21 マドリード Madrid - "La Vuelta"
2007/09/22 マドリード Madrid - "La Vuelta"
2007/09/23 マドリード Madrid - "La Vuelta"

 バルセロナ Barcelona(2007年9月5日〜9月7日)

 5ヶ月ぶりのバルセロナ。スペイン語の勉強もあまり進んでいないのに来てしまいました。前回は語学教室の運転手さんが空港まで送迎してくれましたが、今回は普通の旅行なので、公共の交通機関を使って市街地に向かいます。が、国鉄 Renfe の駅がどこにあるか分からず、空港のなかをうろうろしてしまいました。成田空港のように同じ建物のなかではなく、空港の建物から連絡通路を歩いたところにありました。
 「La Ciudadela」というホテルに泊まったのですが、一階がレストランなので食事をとるのに便利でした。また、海の方角はシウタデリャ Ciutadella 公園に、旧市街の方角は凱旋門 Arc de Triomf につづく広場に、それぞれ面した見通しの良い場所にあります。
 前回、春に訪れた時よりも、観光客は少なく、ピカソ美術館 Museu Picasso にも10分も列ばすに入ることが出来ました。美術館には、作品とそれに至るいくつかの習作が展示されていて、形状、陰影、あるいは色彩によって対象を表現しようとするピカソの試みを見ることが出来ます。

 今回、バルセロナに来て感じたことのひとつに、「bicing」の利用者が増えていることがあります。この「bicing」というのは、バルセロナに住んでいる人向けの自転車貸し出しサービスで、市内に多数設けられた専用駐輪場の間を移動をすることが出来ます。

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 自転車の配置に偏りが出来てしまった場合には、bicing のトレーラーが自転車を移動します。バスや地下鉄と同じように公共の交通手段として考えられているようです。
 このサービスは登録した人しか利用することが出来ませんので、私のような観光客は指をくわえて見ているのですが、石色の街に赤い車体が映えて、ひとつの風景を作っているようにも感じます。

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 サラゴサ Zaragoza(2007年9月7日〜9月9日)

 バルセロナ Barcelona からバスに乗ること三時間半、サラゴサに着きました。バスターミナルは国鉄 Renfe の駅と合わさって、ひとつの建物になっています。駅の周りは、一部が工事中ということもあり、他の建物がなく、荒野の中に放り出された気分になりましたが、バスに乗って市街地へ行ってみると、都会的な町でした。

 今回のスペイン旅行の目的のひとつに、Vuelta Ciclista a España の観戦があるのですが、ここサラゴサには、ふたつのステージのゴールが設定されています。7日の金曜日は集団で走るロードレースで、8日の土曜日は選手がひとりづつ走るタイムトライアルです。
 まず金曜日のレースですが、こちらは写真撮影が難しいので、ゴール前150mの地点で、他の観客の後ろから、おとなしく観戦しました。レースはゴールからそれほど遠くないところで落車があったらしく、選手がいくつもの小さな集団となってゴールに入ってきました。しかも、先頭集団以外は互いに争わずに入ってきたので、あまり迫力のないゴールとなってしまいました。この日は人出もそれほど多くなく、レースのあとは、チームバスや関係車両を眺めて歩きました。

 日を改めて土曜日のタイムトライアル。こちらは選手がひとりづつ走るので、写真撮影には好都合です。ゴールが設定されているインデペンデンシア Independencia 通りは人垣で埋まってしまい自由に写真を撮ることが出来ないので、ゴールよりひとつ前の通りで写真撮影をしました。私はロードレースに詳しくないので、選手の名前などがあやふやなのですが、近くで観戦しているおじさんおばさん方が「あ、ペタッキ」「オスカル(ペレイロ)!」「お、誰々」とつぶやいたり叫んだりするので、レースの進捗状況が何となく分かります。スポーツ新聞には全選手の前日までの成績が載っているので、それを買っておくべきだったのですが、撮影場所を探してうろうろしていたら、タイムトライアルが始まってしまいました。

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 写真撮影は、うまく選手を追えずにピントを外したものもいくつかありましたが、次第に慣れてきて、中盤ではそこそこ満足の出来る写真を撮ることが出来ました。終盤は日が傾いてきて、木陰と木漏れ日のまだら模様の中を選手が走ってくるようになったので、やや難しくなりました。写真は、このタイムトライアルの結果、総合成績の首位に立った Stijn Devolder 選手( Discovery Channel チーム)です。

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 この二日間、ゴールが設営されていたインデペンデンシア通りは、自動車がすれ違うことの出来る広さの歩道が両側にあるのですが、土曜日夕方のゴール周辺は人で埋まっていました。

 サラゴサを立つ朝、サラゴサの名所であるピラール聖母教会 Basilica de Nuestra Señora del Pilar の写真を撮りました。近くには、これからピレネーに向かう Française des Jeux や Quick Step の車両が停まっていました。

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 パンプローナ Pamplona(2007年9月9日〜9月10日)
 ビリャーバ Villava(2007年9月10日)

 サラゴサ Zaragoza からバスに乗り、およそ三時間でパンプローナに到着しました。バスの座席が一番前でしたので、乾いた台地とそれを縁取る崖の交互する壮大な景色を、映画のように眺めることが出来ました。私の乗ったバスは直行便ではなく、途中の町でもお客さんが乗り降りするバスだったのですが、大型バスが町内の狭い道をすり抜けて行く様は、面白くもあり危なっかしくもありました。また、トゥデーラ Tudela という町ではロードレーサーやマウンテンバイクに乗っている人を多く見かけました。その町を出たところのロトンダ(=ロータリー)には、真っ黒い大きな牛の看板がありました。

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 パンプローナの旧市街では露店が出ていて、食べ物や衣類、装飾品などが売られていました。上の写真は、とても小さな本を売っているお店です。
 市庁舎から少し歩くとカスティーリョ広場 Plaza del Castillo に出ました。幾人もの自転車旅行者がこの広場の周りで休んでいましたが、その中に日本人の姿を見つけたので、声をかけてみました。66歳の彼は、スペインに住む友人のすすめで、サンティアゴ・デ・コンポステーラ Santiago de Compostela までの巡礼路を旅しているそうです。出発地点のフランスでマウンテンバイクや荷積みキャリア、ヘルメットなど一式を購入し、この日が二日目だそうです。巡礼路は舗装された一般道と違って大変なようで、自転車とズボンには泥がついていました。飯田さん、そして各国からお越しの自転車旅行者の皆さん、お気をつけて。

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 翌日にはミゲル・インデュライン Miguel Indurain (1990年代に活躍した自転車選手)の生まれた町、ビリャーバを訪ねました。 パンプローナで泊まった宿のご主人に「インデュラインはパンプローナの近くで生まれたのですよね?」と聞くと、「そう、ビリャーバで生まれたんだ。4番のバスに乗れば着く。」と言って旅行者向けの冊子を手渡してくれました。
 宿の近くにあるヤマグチ公園やシウダデラ Ciudadela 公園を覗いてから4番のバスに乗りましたが、10分経つか経たないかのうちにビリャーバに着きました。バスの停留所の前には、茶色い瓦と白い壁に彩色模様が描かれている建物がありました。いわゆる西洋風の建物が多い中、一風変わっていて目を惹いたのですが、バスク文化圏では、時々このような建物を見かけることがあります。

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 ビリャーバは観光地ではないので、これといって見る物はないのですが、うろうろしていたところ、インデュラインの財団が建てたと思われる「Hermanos Indurain」というスポーツ施設を見つけました。パンプローナまで歩いて帰りましたが、一時間近くかかり、疲れました。その途中に、パンプローナが日本の山口市と姉妹都市であることを示す看板が立てられていました。

 サンセバスチャン San Sebastián(2007年9月10日〜9月12日)
 ラサルテ Lasarte(2007年9月10日〜9月12日)
 エンダヤ Hendaia(2007年9月12日)

 パンプローナ Pamplona から一時間ほどバスに乗り、保養地として有名なサンセバスチャンに到着しました。サンセバスチャンの隣り町、ラサルテのホテルを予約していましたので、エウスコトレン Euskotren という電車に乗って移動しました。このエウスコトレンは、バスク地方に複数の路線を持っていて、町と町との間の移動に便利です。また、スペインの他の電車と同じく、車内に自転車を持ち込むことが出来るのですが、サンセバスチャンは自転車に乗っている人が多いので、電車内でもその姿を多く見ました。サンセバスチャンからラサルテまでは、エウスコトレンで10〜15分です。

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 サンセバスチャン到着の翌日に、コインランドリーを探したのですが、なかなか見つからずに、ぐるぐると町の中を歩き回っていました。その途中で、エウスカルテル Euskaltel という自転車プロチームのジャージを数十着(おそらく40着ほど)も在庫している自転車屋さんを見つけました。思わず買ってしまいそうになりましたが、リュックが一杯でしたので、あきらめました。なお、その自転車屋さんには、エウスカルテル以外のチームのジャージは置いてありませんでした。
 ついに見つけたコインランドリーは、ウルメア Urumea 川の東の街区にあり、外国人観光客が多いためか、英語やフランス語での説明書きもありました。思っていたより料金が高く、洗濯と乾燥で10ユーロ近くかかりました。洗濯物の量は少なかったので、クリーニング屋さんに出したほうが良かったかも知れません。

 12日の午前中には、エウスコトレンのエンダヤ行きに乗って、フランスまで行ってきました。この路線は、終点が国境のフランス側の町なので、電車の座席に40分も座っていれば、勝手にフランスへ着いてしまうのです。お店でチョコレートを買った時に「メルシー!」と返ってきたので、ああ、ここはフランスなんだ、と感じました。町を歩いていると、入り江の向こうにスペイン、オンダリビアの町が見えました。

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 サンセバスチャンの町は統一感があり、バルセロナの町と似た雰囲気を持っています。また、海に突き出た山、モンテウルグル Monte Urgull に上ると、コンチャ Concha 湾と町を一望することが出来ます。山の上のお城には、屋上にキリストの像が建てられ、お城の中はサンセバスチャンの歴史の展示室になっています。下の写真の奥に見えるのが、モンテウルグルです。

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 ビルバオ Bilbao(2007年9月12日〜9月14日)

 サンセバスチャン San Sebastián からエウスコトレン Euskotren に揺られること三時間余り。バスク地方の経済、産業の中心地であるビルバオに到着しました。町の中心から少し離れた地区にあるペンションを予約してありましたので、アバンド Abando 駅から国鉄 Renfe に乗ろうと思っていたのですが、どこが入口か分かりませんでしたので、先に見つけた FEVE という会社の電車に乗って移動しました。
 ビルバオは観光の町ではなく、古くからの工業都市です。しかし、「芸術性」に重きを置いた都市再生を進めていて、新名所となったグッゲンハイム Guggenheim 美術館をはじめ、整備された公園、町の中心をぐるりと取り囲むように走る路面電車など、現代的できれいな町が造られています。なお、この路面電車はエウスコトラン Euskotran といって、エウスコトレンと一文字だけ違います。

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 私が訪ねた日のグッゲンハイム美術館は、展示物の入れ替えのために半分ほどが閉鎖されていました。展示されているものが現代美術ということもあり、やや迫力に欠けました。どちらかと言えば、展示物よりも、美術館の建物とその前に座っている犬のほうが、見応えがあるように感じました。

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 ペンションの近くに適当なお店が見つからず、スーパーマーケットで夜食用のカマンベールチーズを買ったのですが、外側の白い部分が傷み始めていました。全て捨ててしまうのはもったいないので、中の柔らかい部分だけ食べました。

 グラナダ Granada(2007年9月15日〜9月17日)

 ビルバオ Bilbao からバスでマドリード Madrid まで移動して一泊し、翌日、再びバスに乗り、グラナダに辿り着きました。
 ここグラナダでは、アルバイシン Albayzín 地区とアルハンブラ Alhambra 宮殿を見て歩いたのですが、このふたつだけで充分というか、大満足です。

 アルバイシン地区には「アンダルシア」と聞いて思い浮かべるような白い壁の家々が建ち並んでいます。丘のような地形で、上るに従って眺めが良くなり、その日差しと静けさのなかで白い壁に囲まれていると、天空の町へ来たかのような感覚になります。

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 サン・ミゲル・バホ教会 Iglesia de San Miguel Bajo の前の広場から少し南に下りると、グラナダの町を一望することが出来ます。ラルガ広場 Plaza de Larga では、バイクトライアル用の MONTY に乗った少年が数人いて、そのうちの一人が日本語で「こんにちは」と挨拶してきてくれました。アルバイシン地区の北側からチャピス坂 Cuesta del Chapiz を下ると、アルハンブラ宮殿が見えてきます。

 アルバイシン地区を歩く前、私はアルハンブラ宮殿の入場券を買う行列にならんでいました。ナスル朝宮殿 Palacios Nazaries には人数制限があるので、午前中の入場券を買うことが出来ず、午後2時以降に入場可能な入場券を買いました。そして、それまでの間、アルバイシン地区を歩いていたのです。
 気を取り直して、午後のアルハンブラ宮殿に入場。アルハンブラ宮殿にはナスル朝宮殿以外にも見どころはあるのですが、ナスル朝宮殿に施された精緻な装飾には圧倒されました。これをじっくり眺めていたら、半日では足りません。私はナスル朝宮殿とヘネラリフェ Generalife だけを見ました。

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 この後に自転車競技の大会、ブエルタ・ア・エスパーニャ Vuelta Ciclista a España の第15ステージを観戦しようと考えていたのですが、ぎりぎりまでアルハンブラ宮殿を見て回っていたら、遅刻してしまいました。とりあえず、ゴールした後の選手の写真を撮って、ホテルに戻りました。下の写真は、エウスカルテル Euskaltel チームのアイマール・スベルディア Haimar Zubeldia 選手です。

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 アルへシラス Algeciras(2007年9月17日〜9月20日)
 イギリス領、ジブラルタル Gibraltar(2007年9月18日)
 モロッコ、タンジェ Tanger(2007年9月19日)

 グラナダ Granada から、ジブラルタル海峡に面した港町アルへシラスまで、バスに乗って移動しました。ここを基点に「非スペイン」旅行をしてみたいと思います。

 まずは、イギリス領ジブラルタル。アルへシラスからラリネア La Línea 行きのバスに乗り、終点までおよそ45分。ラリネアのバス駅からは徒歩で境界線へと向かいます。境界では、パスポートを見せて、境界線に沿うようなかたちで広がる滑走路を歩いて横切りました。なお、自動車でも、自転車でも、乳母車でも、通ることが出来ます。境界線のジブラルタル側で待ち構えているバスに乗ると楽だと思います。イギリス領ジブラルタルの通貨は「ジブラルタルポンド」らしいのですが、このバスはユーロでも乗ることが出来るようです。なお、私は買い物をする予定がありませんでしたので、両替はしませんでした。
 町に入りますと、標識が英語になり、聞こえて来る話し声も英語が多くなりますが、スペイン語での会話も聞こえてきます。建物も陽気もスペインです。買い物客も従業員も、大半がスペイン人だと思います。おそらく、ここはスペインです。町だけを見る限り、スペイン人が免税店巡りをするには便利な町かも知れませんが、はるばる日本から見に来るほどのことはないと思いました。

 ただし、町だけが全てではありません。ジブラルタルには、その威容を誇る岩山があります。正しくは、この岩山こそがジブラルタルと言えます。往復13.50ユーロの切符を買って、ロープウェイに乗り、岩山の上まで行ってきました。

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 上の写真を見て下さい。この岩山のとんがり具合。広がる海。そして、水平線のところに見えるのは、きっとアフリカ大陸です。岩山からの眺めは、まさに絶景です。

 アフリカ大陸をながめた後は、アフリカ大陸へ行ってみましょう。アルへシラスからモロッコのタンジェまで、往復72ユーロの高速フェリーに乗りました。タンジェの港が混んでいたためか、行きは2時間かかり、帰りは一時間余りで着きました。モロッコの通貨は「ディラハム」ですが、私は短時間の見物でしたので、両替はしませんでした。
 ジブラルタルは「ほとんどスペイン」でしたが、ここは違います。スペインではありません。まず、言葉が違います。アラブ系の言葉とフランス語が使われています。そして、経済的な豊かさや衛生面での水準が、スペインに比べて、ひとつ下にあると言わざるを得ません。

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 上の写真は、旧市街の市場の入口を写したものです。市場では、肉料理がショーケースや透明ラップの中に入っていて、各種一片だけ見本として表に出してあるのですが、それにはぎっしりと蝿がたかっています。まるで、表に出しておくとこうなる、という見本のようです。また、ジブラルタル海峡を眺めることが出来る高台で写真を撮っていたところ、少年たちがフレームに入ってきて「写真を撮ったから1ユーロ」と言い寄ってきました。
 旧市街から離れると、近代的なマンションが建ち並び、公園もあり、無秩序よりも秩序の存在感が増します。下の写真は、モスクだと思います。簡素ながら、きれいな塔です。キリスト教会も近くにあり、こちらはアラブ風の意匠も一部に取り入れながら近代的な味付けがなされた建物でした。

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 マドリード Madrid(2007年9月14日〜15日、20日〜24日)
 エルエスコリアル El Escorial(2007年9月21日)
 ビリャルバ Villalba(2007年9月22日)

 マドリードには、ビルバオ Bilbao からグラナダ Granada に移動する途中の14〜15日に一泊し、自転車ロードレース「ブエルタ・ア・エスパーニャ Vuelta Ciclista a España 」を観戦するため、20〜24日に再び訪れました。

 21日にはマドリードからエルエスコリアルまで電車で移動し、ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージを観戦しました。

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 この日はアバントス Alto de Abantos に登ってゴールするのですが、エルエスコリアルからアバントスまでの上りは周回コースの一部なので、選手を二度観ることが出来ます。駅から 2km ほど歩いたところにあるサンロレンソ・デ・エルエスコリアル San Lorenzo という住宅街で観戦しましたが、なぜここに家を建てようと考えたのか、と思うくらいの急傾斜地で、しかも住宅地なので観客には事欠かず、楽しく印象に残る観戦となりました。

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 翌22日もマドリードから電車に乗り、ビリャルバという町で開催されたブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージのタイムトライアルを観戦しました。ここでは主に選手が待機している区域を眺めてまわりました。

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 さて、マドリードでは街歩きの時間を十分に取ることが出来ませんでしたが、一見したところ、町並みは現代的で、観光という意味ではそれほど強い印象は受けませんでした。やはり最大の魅力は、プラド美術館 Museo del Prado をはじめとした美術館群にあると思います。今回は自転車ロードレースの観戦が中心となったため、急ぎ足でソフィア王妃芸術センター Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía とプラド美術館を観て回りました。
 ソフィア王妃芸術センターは、ピカソ Pablo Picasso の大作「ゲルニカ Gernika」を収蔵していることで有名で、私の目的もゲルニカを観ることにありました。だいぶ前に池袋の東武美術館にゲルニカの実寸複写品が展示されたときも観に行きましたが、その時には、ゲルニカをはじめ、他の小作品からも強い印象を受けました。今回は入場料6ユーロを払いながらも、他に済ませたい用事があったために、ゲルニカに辿り着いたところで帰るという、もったいないことをしてしまいましたが、それでも本物のゲルニカと相対することが出来、満足しています。もちろん、ソフィア王妃美術センターにはピカソ以外の作品も展示されていて、なかなか面白い金属製の立体美術品もありました。
 プラド美術館には数々の有名な作品が収められていますが、なかでも、ゴヤ Francisco de Goya のいくつかの作品が目を引きました。他の絵画が、主要な人物に光を当て、背景を暗めに描いているのに対し、ゴヤのこれらの作品は、背景に明るい雲を描き、そのなかに人物を配しているため、逆光と反射光のなかに情景が浮かぶようになっています。ちなみに、私がプラド美術館を訪れた日は、無料開放日であったため、入場料を払わずに見学してしまいました。

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(このスペイン旅行の写真を「写真のページ 」に置いてあります。どうぞ、ご覧下さい。)

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